ブスと自覚した日

私はブスだ。

そのことにちゃんと気づいたのは高校に上がったくらいの事だったか。それまで私は可愛くはないが普通の容姿だと思っていた。

当時、私は比較的可愛い容姿をした友人と行動を共にしていた。男子は私にはほとんど話しかけて来ず、友人とばかり話していた。友人は入学してすぐ彼氏を作ったが私は3年間で1度も彼氏が出来なかった。特定の連絡を取る人さえいなかった。重たい一重だった私はむしろその容姿をからかわれたりもした。
クラスの上位カースト男子達には「目が細すぎる開いてる?」と3日に1回くらいの頻度で言われたり、猫の恩返しに出てくるムタさんに似ていると言われ、卒業までムタさんと呼ばれていたブスエピソードまである。
私が、元気でキラキラした男性が苦手だと感じるのはこの時の記憶からだと思う。


その時に気づいたのだ、私は普通ではなくブスなのだと。

女としての人生は無理なのかなあと思いながら、当時は全員喪女だった他クラスの部活の仲間と一緒に放課後TSUTAYAに行って今ハマってるマンガや流行ってるアニメについて立ち話をしていたのを思い出す。私の青春時代は恋にときめくこともなければ汗を流すこともないドブ色みたいなものだったけれど、TSUTAYAにいたあの時を思い出すと楽しかったなあと思う。